防災・BCP

地震対策の要・防災管理者の基礎知識

鳥取で震度6弱を観測する大きな地震がありました。
大きな地震がある度に、自社の備えは十分かどうか、見直す必要があると思います。
今回は、大規模な建物に対する防災管理の要である「防災管理者」について解説します。
よく似た名前の「防火管理者」はこちら↓

大雑把な分け方ですが、防火管理者が火災に対応するのに対し、防災管理者は地震とテロとに対応するものです。

「防災管理者」とは?

防災管理者を選任する必要がある建物(防災管理対象物といいます)の基準は次のとおりです。

建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)で、以下のいずれかに該当するものが対象となります。(※防火管理が義務となる対象物に限ります。)
消防法施行令別表第1(1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項から(12)項まで、(13)項イ、(15)項及び(17)項(以下「対象用途」という。)に掲げる防火対象物。
防火対象物図
防火対象物図2消防法施行令別表第1(16)項に掲げる防火対象物で、対象用途を含むもの
対象用途が11階以上にあり、対象用途の床面積の合計が1万m2以上
対象用途が5階以上10階以下にあり、対象用途の床面積の合計が2万m2以上
対象用途が4階以下にあり、対象用途の床面積の合計が5万m2以上
消防法施行令別表第1(16の2)項に掲げる防火対象物で、延べ面積が1000m2以上のもの
出典:東京消防庁http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/office_adv/jissen/p09.html

ややこしい基準ですが、一般的には「多数の者が利用し、円滑な避難誘導が求められる大規模・高層の防火対象物」が対象です。
例えば、大きなショッピングセンターや複合ビルが対象になります。
基準がややこしいので、判断がつかない場合は消防署に確認しましょう。

防災管理者の役割は?

防災管理者の責務は、次の通り定められています。

「防災管理に係る消防計画」の作成・届出を行うこと
避難の訓練を年1回以上実施すること
・その他防災管理上必要な業務を行うこと
・必要に応じて管理権原者に指示を求め、誠実に職務を遂行すること

防災管理者の役割は、防火管理者同様「消防計画」を作成することです。
防火管理者も選任が必要な建物の場合は、消防計画をそれぞれ作成する必要はなく、1つで構いません。

消防計画に定める事項

防災管理者の選任が必要になったのは平成19年6月の消防法の改正からです。
それ以前の防火管理制度は、防火管理者の責務、消防計画への作成事項等として地震その他の災害への対応について、事業所の自主的取組に委ねられ、不明確な部分があったためです。
したがって、消防計画に定める事項は地震に関することや、
大規模建物であることから、「従業員、お客様を含めた避難を円滑にするにはどうするか」が中心になります。

防災管理に係る消防計画に定める事項
1.防災管理に係る基本的な事項
(1) 自衛消防の組織に関すること
(2) 避難通路、避難口その他の避難施設の維持管理及びその案内に関すること。
(3) 定員の遵守その他収容人員の適正化に関すること。
(4) 防災管理上必要な教育に関すること。
(5) 避難の訓練その他防災管理上必要な訓練の実施に関すること。
(6) 防災管理に関する消防機関との連絡に関すること。
(7) (5)に掲げる訓練の結果を踏まえた防災管理に係る消防計画の内容の検証及び当該検証の結果に基づく当該消防計画の見直しに関すること。
(8) (1)から(7)までに掲げるもののほか、防災管理対象物における防災管理に関し必要な事項
2.地震による被害の軽減に関する事項
(1) 地震発生時における防災管理対象物及び防災管理対象物に存する者等の被害の想定及び当該想定される被害に対する対策に関すること。
(2) 防災管理対象物についての地震による被害の軽減のための自主検査に関すること。
(3) 地震による被害の軽減のために必要な設備及び資機材の点検並びに整備に関すること。
(4) 地震発生時における家具、じゅう器その他の防災管理対象物に備え付けられた物品の落下、転倒及び移動の防止のための措置に関すること。
(5) 地震発生時における通報連絡、避難誘導、救出、救護その他の地震による被害の軽減のための応急措置に関すること。
(6) (1)から(5)に掲げるもののほか、防災管理対象物における地震による被害の軽減に関し必要な事項
3.特殊な災害による被害の軽減に関する事項
(1) 特殊な災害発生時における通報連絡及び避難誘導に関すること。
(2) (1)に掲げるもののほか、防災管理対象物の特殊な災害による被害の軽減に関し必要な事項
出典:東京消防庁HPhttp://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/office_adv/hourei_kaisei/index.html

東京都震災対策条例

東京都では「東京都震災対策条例」が定められており、条例に定められている事項について消防計画に盛り込む必要があります。
東京消防庁HPではhttp://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/office_adv/jissen/p05.htmlで詳しく解説してあります。

●家具類の固定
●非常用物資の整備
●震災発生時の救助活動
●周辺地域への協力
●帰宅困難者対策
●施設再開までの復旧計画

消防署の査察でも、特に見られるのは「家具の固定」です。
オフィスで考えられるのは、
●ロッカーが固定されていない→倒れる可能性
●書架が固定されていない、上に重いものが置かれている→倒れる可能性
●コピー機が固定されていない→大規模地震の際に大きく移動する危険
です。
日頃から地震対策をしておきたいものです。

いかがでしょうか?
この消防計画を作る作業は、定める事項も多岐にわたり、大変です。
しかし、作ることで「被害を最小限にすること」「災害発生時に、速やかに事業を再開できるようにすること」ができます。
先日、新聞にも企業の事業継続性について記事がありました。
こちらについても、後日言及できればと思います。

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