『燃えよ剣』を今日読み終わりました。
ブログの更新が滞っていたのは、これのせいです。(また他のせいにする・・・)
この小説は今まで何度も読んできましたが、読むたびに新たな発見がありました。
この小説を読もうと思うときは、人生の節目を感じるときが多い気がします。
また個人的な話が多くなりそうですが、おつきあいください。
大学受験で浪人が決まった時
この頃は、単純に今で言う「歴女」として読んでいました。
浪人が決まって、予備校の講義が始まるまで暇だったので、読みました。
志望大学に全て落ちて、これから人生どうしようとお先真っ暗になったときです。
で、暇ですから日野とか歴史スポットも一通り回ったと思います。
その後、京都にある某大学に進学し、壬生など京都の史跡も回りました。歴女ですね。はい。
この時期は、単純に「かっこいい歴史上の人物」くらいで終わっています。
大学の部活で副将をしていた時
大学の部活では、3回生になると部の運営を任されました。
私は副将に任命されました。
当時3回生は私含め3人しかいなかったので、主将、私、主務だけです。
で、副将ってどういう役割をすればよいんだろうと思い、また『燃えよ剣』に答えを求めました。
近藤勇を支えた副長としての土方歳三は、どういう役割をしたのだろうと。
この小説では、局長である近藤をたて、厳しいこと、嫌われることは副長の土方がおこなっていました。
トップである主将が嫌なことをいって部員から信頼を失っては、組織は崩れていくんだと。
副将である部員からの嫌われ役になろう、と思いました。
実際そうできたのかは今でも疑問ですし、そうできてなかったと思いますが
「NO.2」の立ち位置のあり方について学びました。
中小企業診断士として
社会人になってからは、この本に手が向くことはなかったと思います。
ビジネス書ばかり読んでいましたから、司馬小説は久しぶりでした。
なぜか、無性に読みたくなったんです。
10月に中小企業診断士に登録してから、さて、自分はどんな診断士になりたいのかと思いました。
そこで、昔読んだこの本にたどり着きました。
組織の作り方
土方歳三は、局長をトップにしつつも、各隊長や監察からの報告はすべて副長である自分に届くように、明確な指示系統をつくっています。
(そこから外されたのが、あの山南敬助ですが)
――副長が二人居ちゃ、そうなる。近藤さん、あんたの口からでた命令がすぐ副長に響き、助勤に伝わり、電光石火のように隊士に動くようにあらねば、新選組はにぶくなるよ。組織は剣術とおなじだ。敏感でなければだめだ。それには副長は一人でいい。
現代の組織の機能性は、この環境変化が厳しい中、いかに早く変化できるかどうかで決まるのではないでしょうか。
にぶい組織では、環境変化についていけません。
機能別組織、事業別組織など組織形態には様々な形がありますが、「環境変化に敏感で、素早く意思決定ができる組織」、それが生き残るのではないかと思いました。
「自由になる」
流山で近藤勇と決別するシーンは、「こんなシーンだったけか・・・」と何度も読み返してしまいました。
「歳、自由にさせてくれ。お前は新選組の組織を作った。その組織の長であるおれをも作った。京にいた近藤勇は、いま思えばあれはおれじゃなさそうな気がする。もう解き放って、自由にさせてくれ」
なぜ、このセリフを司馬遼太郎は書いたのだろうか・・・
まだ、私の中での答えはでていません。
もう少し人生経験を積んだら、わかるのかもしれません。
会社の事業を見、多忙な社長や役員とは違う外からの目で、組織の現在と未来を見極め、助言する。
そんな参謀としての診断士像が、読み終わった後に浮かびました。
さて、次は『竜馬がゆく』を読みたいところですが、8巻もありますので、読み始めたらまたしばらく止まらなくなりそうです。
この小説も、人生に悩んだ時読みたいと思うものです。
どうしようかなあ・・・・
本日はここまで。