事業計画を作る時に欠かせないのは「競合との差別化」です。
この観点はどの補助金でもでてきます。
例えば
小規模事業者持続化補助金
(出典:小規模事業者持続化補助金 公募要領)
この「審査の観点」では
・自社の経営状況を適切に把握し、自社の製品・サービスや自社の強みも適切に把握しているか
・自社の強みを踏まえているか
この観点が、「競合との差別化をちゃんと認識しているのかな?」というところを見ています。
しかし、事業者さんが最初に作る事業計画では
・この製品(サービス)は唯一無二のものであり、競合はいない!
・特許を取っているので十分差別化できている!
といった、「競合はいません!」という主張をされている方がとても多いです💦
しかし、どんな事業にも競合はいます。
競合と比較することで、あなたの製品(サービス)の強みをわかりやすく伝えることができるんです!
本記事では、事業計画で競合との差別化をどう説明するかという点について解説します。
1.競合とは?
競合とは、わかりやすく言い換えるとすると
製品(サービス)を買う顧客が、その製品(サービス)と比較検討するもの
をさします。
例えば、東京から仙台にいきたいとします。
あなたはカーシェアサービスを展開しているとしましょう。
ここで、競合は何になるのでしょうか?
もちろん、同じカーシェアサービスも競合になりますが
東京から仙台に行きたい人は
・新幹線
・飛行機
・自家用車
・レンタカー
など、様々な移動手段を検討します。
したがって、これらもあなたの事業の競合になるのです。
仮に「今までなかった製品サービス」といえども、その製品(サービス)を購入しようとするときに、
顧客は「成し遂げたい」ことを叶えるために、様々な製品(サービス)と比較したうえで、あなたの製品サービスを購入しているのです。
2.差別化要因の説明の仕方
では、いくつか競合が実際に浮かんだところで
あなたの製品(サービス)とそれらは、何がどう違うのでしょうか?
あなたの製品(サービス)は、どこに優位性があるのでしょうか?
そこを説明しなければ、事業計画を読む人に、あなたの製品(サービス)の「強み」が伝わりません。
この「優位性」を説明するためのフレームワークをご紹介します。
表で示す
まずもっとも簡単な方法は、競合と自社製品(サービス)との違いを表で整理することです。
イメージとしては、こんな感じです。
○×△だけではわかりにくいので、実際にはポイントのみ言葉で書き加えます。
比較する観点としては
・値段
・品質
などいろいろな切り口があります。
見せ方としては、もちろん自社製品(サービス)が全て優れているのもいいのですが
中小企業がつくる製品(サービス)の場合、特徴のうち何かがずばぬけて秀でている、という戦略もありますので、全て優れているようにみせる必要はありません。
ポジショニングマップ
対立する2軸をもとに、製品(サービス)と他社の自社製品(サービス)との違いを図示するものです。
この対立軸の設定が難しいところですが
・顧客が購買を決める要素
・自社の強みとなる要素
という観点で設定するとわかりやすいです。
自社製品(サービス)がどこになってもよいのですが、右上に位置するように軸を考えることが多いです。
3C分析
自社、顧客、競合の3点の観点から、自社製品(サービス)の強みがなにかを説明するフレームワークです。
自社の強みを生かして、どのように差別化していくか?
狙う市場の規模は?成長しているのか?
を考えるフレームワークです。
市場についてはこちらの記事もご参考ください。
競合と比べることで、自分の強みが見えてくる
いかがでしたでしょうか。
これらのフレームワークを使うことで、あなたの製品(サービス)を知らない人にも、差別化要因をわかりやすく伝えることができます。
また、強みは他のものと比較するからこそ見えるものです。
自分だけで自分の強みは分かりませんが、他の人と比較するとわかることもありますね。
この記事を読まれた方は、事業計画に「競合はいません、唯一無二のものです」といった説明はされないようにお願いします😂